くらし もっと自分らしく YLIY magazine by TRUST DESIGN

06

ちょっと「木」になる話。

イリーマガジン 第六回トップ画像
安田美沙子・Maestro 綛谷武史・ハイトラスト 坂口祐司安田美沙子・Maestro 綛谷武史・ハイトラスト 坂口祐司

京を舞台に躍動する四季者が彩る家

とある英文をもじり、イリーマガジンと命名されたこの媒体を企画するのは、『あなたのライフスタイルに合わせた理想の住まい』を届ける、住宅設計・デザイン・施工会社、トラストデザイン。仲夏の候、世に送り出した『キッチンを問う』号より、京都の文化や産業にゆかりの深いゲストをお迎えして、家づくりのヒントを導き出す対談を繰り広げているわけですが、華麗なる人脈を活かしてブッキングに奔走しているのも、実は同社の代表取締役、坂口祐司。でもって、今回のゲストはイリーマガジンの制作過程で出会って、繋がって、出演をお願いした、『Maestro』の綛谷武史さん。古より花の都と詠われしここ京都で、いま一際、異彩を放つフラワーショップを指揮する氏に、誌面の華やぐお話を伺います。

京を舞台に躍動する
四季者が彩る家

とある英文をもじり、イリーマガジンと命名されたこの媒体を企画するのは、『あなたのライフスタイルに合わせた理想の住まい』を届ける、住宅設計・デザイン・施工会社、トラストデザイン。仲夏の候、世に送り出した『キッチンを問う』号より、京都の文化や産業にゆかりの深いゲストをお迎えして、家づくりのヒントを導き出す対談を繰り広げているわけですが、華麗なる人脈を活かしてブッキングに奔走しているのも、実は同社の代表取締役、坂口祐司。でもって、今回のゲストはイリーマガジンの制作過程で出会って、繋がって、出演をお願いした、『Maestro』の綛谷武史さん。古より花の都と詠われしここ京都で、いま一際、異彩を放つフラワーショップを指揮する氏に、誌面の華やぐお話を伺います。

Maestroの前で談笑する綛谷と坂口と安田美沙子

花と緑の
ダイナミズムを届けたい

坂口—本日は、夷川通御幸町角、京都御所南にある『Maestro』さんにお邪魔をしております。綛谷さんは花と緑で季節を表現する『四季者』を標榜され、百貨店やホテル、飲食店やアパレル店の植栽、装飾を行われるなど、まさしく、華々しい活動をされているんです

綛谷—華にまでなぞらえていただき恐縮です。これまでは、『MAESTRO花緑事務所』として、企業さまや店舗さまに向け、植栽、装飾をご提案して参りましたが、花と緑を、もっと皆さんに楽しんでもらいたいという想いから、今年の3月に、弊社として初となる、直接、花と緑に触れていただける実店舗を構えました

Maestroの店内で談笑する綛谷と坂口と安田美沙子
Maestroの店内で話す安田美沙子

親睦を深め
安田さんから美沙子さんへ

安田—もう、ショップのエントランスから花と緑の飾り付けが可愛すぎて、写真もたくさん撮らせていただきましたし、母にどれを買って帰ろうかと、めっちゃ悩みながらお話を聞いています

坂口—『Maestro』さんは、以前に美沙子さんも撮影、取材で訪れた、実業家の勝山さん邸のお庭を担当されているんですよ

安田—そうなんですね。元気なお子さまが遊ばれていた素敵なお庭ですよね

坂口—それで、7月にトラストデザインが新たな本拠地として、四条河原町に『ライフスタジオ』を設ける際に、02号にて、『声の届く家』を案内してくださった勝山さんから、ご紹介をいただいたんです

綛谷—そうでしたね。1階を中心にご提案をさせていただきました

フローリストの極上の技に
惚れ込む

坂口—不動産事業ならびに住宅設計、デザイン、施工を一手に担うトラストグループの新感覚ギャラリーを目指し、『建築コンシェルジュが常駐する』というコンセプトを掲げてオープンしたのが『ライフスタジオ』なんですが、まず、お客さまが出入りされる1階は、足し算のフロアとして考えました

安田—プレゼン上手な坂口さんらしい、興味をそそる表現ですね。具体的に足し算とは?

坂口—はい(笑) 美沙子さんもおいでになりましたが、1階は、木の温もりとホワイトを基調としたシンプルなスペースです。物件、土地探しから家具選びまで、『家づくりの最初から最後まで』をワンストップで支えるわれわれといたしましては、そのシンプルなスペースを、生活に合わせていかにブラッシュアップさせるかまで考えています。そこで、具体的な+アルファとして明示したかったのが花と緑で、すぐさま、勝山さん邸の素晴らしいお庭を思い出し、綛谷さんに連絡をとらせていただきました

綛谷—ちょっとタイトなスケジュールだったので、冗談ですが、ポテンシャルを試されているのかなと思いましたよ(笑)

坂口—本日と同じクルーなんですが、直後に『ライフスタジオ』のカタログ撮影がありまして、あの時は、綛谷さんの植栽なしでは最高のヴィジュアルが成立しないとすら思いました。ただ、アレンジいただいた1階は、見事なまでにブラッシュアップされ、わたしの中では3フロア構成のギャラリーにおいて、1階がもっとも好きな空間となっています

綛谷—喜んでいただけると、こちらも嬉しくなりますね

安田—無機質なイメージのショールームがパッと華やいで見えたのは、綛谷さんによるスタイリッシュな足し算があったからなんですね

ショップに併設するコーヒースタンドでインタビューに応じてくださった、Maestro/株式会社 KASEYAの代表取締役の綛谷武史さんは、1980年、埼玉県生まれ。京都にて、花と緑にまつわる研鑽を積んだ後、完全提案型の花屋と銘打った装飾専門事業を展開され、一流どころの百貨店やホテルに納品した植栽と装飾は、いずれも高い評価を受けています。そんな氏は、インタビュー中の安田に、名物でもある『蘭のフレーバーのソフトクリーム』をサプライズでサーブ。そんな、優しきお茶目なフローリストは、花と緑を題材にした個展も意欲的に開催されています。

Maestro 綛谷武史

ショップに併設するコーヒースタンドでインタビューに応じてくださった、Maestro/株式会社 KASEYAの代表取締役の綛谷武史さんは、1980年、埼玉県生まれ。京都にて、花と緑にまつわる研鑽を積んだ後、完全提案型の花屋と銘打った装飾専門事業を展開され、一流どころの百貨店やホテルに納品した植栽と装飾は、いずれも高い評価を受けています。そんな氏は、インタビュー中の安田に、名物でもある『蘭のフレーバーのソフトクリーム』をサプライズでサーブ。そんな、優しきお茶目なフローリストは、花と緑を題材にした個展も意欲的に開催されています。

主婦代表の安田美沙子の問いかけとは?

坂口—ベタな質問をさせていただきますが、美沙子さんの好きな花って?

安田—雑誌や広告の撮影終わりに、パチパチと拍手をしながら、花をいただく機会が多いんですが、薔薇、カーネーション、かすみ草などが好きですね。ただ、それほど詳しいわけじゃないので、今日はたくさん勉強しようと意気込んでます

坂口—それでは、どんどん綛谷さんに聞いちゃってください(笑)

安田—いきなりですが、お家を花と緑で彩りたい場合に、こうすれば上手くいくというアドバイスはありますか?

綛谷—基礎的でありながら、植栽の本質に迫る質問ですね(笑) まずは、『座った時の大中小』を意識されるとよいと思います

ひらめ木に溢れた
マエストロの金言

安田—詳しく教えていただきたいです!

綛谷—これは、ご自宅に花と緑を置かれる際、もっとも簡単な方法だと思うんですが、頭の高さを超えるもの、ちょうど目線の高さのもの、膝から足元の高さのもの、を意識しながら、花と緑をチョイス&レイアウトをすると、たくさんの花と緑に囲まれた雰囲気が、どなたでもお手軽に演出できます

安田—めっちゃ気軽でおもしろい方法ですね。東京に帰ったら、絶対にやってみます!

綛谷—はい。是非ともお試しください。このショップはスタッフみんなが、『花と緑のマエストロ』ですので、ご来店された方も、飾り方や育て方に関してはなんなりとご質問ください

坂口—お客さまと直接、お話をしながら極上の『マエストロクオリティ』の商品をお届けするために開かれたお店ですもんね。わたしは現在、一人暮らしの身でありまして、お気に入りの観葉植物に話しかけながら生活をしているんですが(笑) 水をやりすぎるのもよくないんですよね?

綛谷—環境や鉢の大きさなどにもよりますが、必要以上に水をやってしまうと植物の根が腐ってしまうこともありますね。ですので、『Maestro』では、お客さまの生活スタイルを伺ってから、土の種類や土の量をオーダーメイド感覚で変えたり、『育ちやすい状態』も併せてご提供しているんです

安田美沙子の話を聞く綛谷と坂口

インドアグリーンへの
果てなき愛

坂口—いま、おっしゃったことが家づくりを生業としているわたしが、綛谷さんに魅了される理由なんです。トラストデザインは目下、『都会の真ん中にいるけど、都会の真ん中にいない』をコンセプトにした花と緑に溢れたモデルルームのプロジェクトを進行中なんですが、綛谷さんにもチームに参画いただいているんです

綛谷—昨日も、打ち合わせがありましたね

坂口—そこでも、専門家として忌憚なく、『この環境では花と緑が綺麗に育ちませんよ』とアドバイスをくださいます。生命を扱うという気持ちを大切にされていて、設計図では見落としがちなことに、気付かされる次第です

安田—お話を聞いているだけでも、花と緑への愛情がひしひしと伝わってきます

綛谷—植物は、真夏の直射日光や西日に当たると葉焼けをしますし、冷気の入りやすい場所や溜まりやすい場所に置いていては枯れることもあります。環境の良くない場所を選ぶのは人間のエゴだとも思いますので、坂口さんにお誘いいただいたプロジェクトは、家づくりの初期段階から参加させていただいているので、光と温度の管理という観点から進言をさせていただいてます

坂口—綛谷さんが、これまでのキャリアで培ってこられた、確かな知識と経験が、新プロジェクトに成功をもたらせてくれそうです

Maestro店内写真

匠のご自宅は
常緑長寿の門かぶり

安田—ちなみにご自宅の花と緑はどのようになされているんですか?

綛谷—妻とやんちゃな男の子2人と市内に暮らしていますが、装飾専門の花屋の矜持は『門かぶりの松』で表現しました(笑) 室内の装飾は、四季折々でいろいろアレンジしていますので抽象的になりますが、オブジェとしての繊細さを大切にしていますよ

坂口—松は常緑で長寿ということで、見栄えはもちろんですが縁起もよいとされていますね

安田—日本庭園や京都の住宅街の立派な邸宅の門まわりにあるような、枝が横に伸びた松ですよね。こちらは東京のマンション暮らしなので、京都らしい和の仕立てに憧れるばかりです

坂口—本企画で、家づくりにまつわる数多のインタビューに立ち会っていただいているので、そろそろ美沙子さんも『理想の住まい』の具体像が見えてきたんじゃないですか? いつかは京都にこだわり尽くしの一軒を建てましょうね

安田—はい。坂口さんが新たなプロジェクトとして進められている、花と緑に溢れたモデルルームも然りですが、持ち家率の低い東京に暮らしていると、庭や門まわりを自由にアレンジできるって、心の豊かさに繋がる気がします。本日、綛谷さんに花と緑に関するお話を聞かせていただき、また、名物のオーキッドソフトクリームまでご馳走になり、ありがとうございました

匠のご自宅は常緑長寿の門かぶり
Maestro店内で話す安田美沙子

イリーマガジンの華は
ブーケをご注文

坂口—さて、インタビューの冒頭にフライバックしますが、装飾専門の花屋として運営されている『MAESTRO花緑事務所』さんは、花と緑を巧みに用いたデコレーションが、百貨店やホテル、飲食店やアパレル店から絶大なる支持を受けているわけですが、今回は特別にチームトラストの一員となっていただき、われわれが用意したシンプルにして無味乾燥な建築パースを思うがままにアレンジしていただきたく思っています

綛谷—花と緑ありきで家づくりをされたいと願われているお客さまに対しても、とても有益な試みだと思いますので、こちらこそよろしくお願いします

安田—わたしは、インタビュー中に様々なことを学びながらも、花と緑の妄想を駆け巡らせておりました。母にはオーナー謹製のブーケをプレゼントしようかなっと

坂口—おいっ(笑) しかし、美沙子さんは撮影と取材、買い物のオンオフまで楽しんでいただき、ちょっと嬉しいですよ。綛谷さん、本日はお忙しい中、取材に対応くださりありがとうございました

綛谷—こちらこそ、ありがとうございます。では、こちらは建築パースの植栽の想像を駆け巡らせます

YLIY style from vol.06

イリーマガジン パース画像(トラストデザインが建てる自然色の家)

トラストデザインが建てる
自然色の家

陽気で上品な明るさを示す『はんなり』とは、中世以降の資料を紐解くに、『華あり』を語源とする説が有力だとか。われわれイリーマガジンが芸能界のはんなり代表として、イメージキャラクターに任命した安田美沙子は、今回は、ヨーロッパの路地裏を歩く芸術家をイメージして、フォトセッションに臨んでくれました。閑話休題、およそ2週間前に『MAESTRO花緑事務所』を主宰する綛谷武史さんに投げかけたお題は、『シンプルなパースを植栽でアレンジして頂戴』。早速、そのリターンをチームトラストのグラフィックチームが建築パースに落とし込みましたので、その全貌をここに公開! アイランドタイプのキッチンから窓に覗くのは、右からユッカ、オリーブ、ボックスウッド。大きさや形の違う植物を並べることで、目にも楽しい緑の空間が出来上がるという算段です。綛谷さん曰く「調理や片付けで大忙しのママも、家族の姿を見た時の背景がこんなナチュラルなグリーンだったら、きっとほっこりとした気持ちになれるはず」。世の奥さまの心理面まで配慮されながら、植栽を考えていただけるなんて、イリーマガジンはもう感激です。

イリーマガジン パース画像(コスパに優れた1階とこだわり満載の2階)

我が家のシンボルツリーに
一位指名

家族みんなが集うリビングルームには金宝樹とも呼ばれるカリステモンを配置しました。こちらは、春から初夏にかけてボトルブラシ状の円柱形の花穂をつけるとか。色鮮やかな花穂は確実に目を惹きつけ、賑やかな団欒に彩りを添えてくれます。

イリーマガジン パース画像(造形のコントラストで抑揚を愉しむ)

造形のコントラストで
抑揚を愉しむ

打って変わってこちらは玄関ホール。日差しの気持ちいいガラス越しのスペースに鎮座するのは、右から繊細な葉がスッと伸びるロマンドラと大きな葉と特徴的な樹形をつけるコーストバンクシア。階段に沿うようにバランスよく配置したのも洒脱。

イリーマガジン
イリーマガジンのアイコンとして誌面に華を添えるだけでなく、毎回、異なる話題に対しても『すんなり&はんなり』と的確なコメントを返してくれる安田は、『Maestro』さんが描き出す緑と花の世界に惚れ込み、イリーマガジン未掲載のヴィジュアルも自身のインスタグラムにちょこっとアップしてくれています。インタビュー内に登場する、お母さまへの贈り物やサプライズで出されたオーキッドソフトクリームは、そちらの方で是非ともチェックを!
衣装協力
TÊTE・DÉBUT  ririchuchu  ELVIO ZANON
TÊTE・DÉBUT  ririchuchu
ELVIO ZANON