くらし もっと自分らしく YLIY magazine by TRUST DESIGN

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結んでひらいて。

イリーマガジン 第二十回トップ画像
安田美沙子・The SODOH 内藤智久・ハイトラスト 坂口祐司

『日常』と『非日常』を近づけてみよう

2023年1本目となるイリーマガジンは、京都が誇る人気の結婚式場であるレストラン『THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO』にお邪魔しました。トラストデザイン代表取締役の坂口祐司と、京都出身の女優・タレントである安田美沙子のふたりがゲストに迎えたのは株式会社Plan・Do・Seeでゼネラルマネージャーをしている内藤智久さん。『非日常』の演出家である内藤氏と、上質な『日常』を叶えることに人生を捧げる坂口との会話の先には、どんな暮らしが生まれるのでしょうか。今年も素敵な住まいを沢山ご紹介してまいりますので、編集部共々、よろしくお願いいたします。

『日常』と『非日常』を
近づけてみよう

2023年1本目となるイリーマガジンは、京都が誇る人気の結婚式場であるレストラン『THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO』にお邪魔しました。トラストデザイン代表取締役の坂口祐司と、京都出身の女優・タレントである安田美沙子のふたりがゲストに迎えたのは株式会社Plan・Do・Seeでゼネラルマネージャーをしている内藤智久さん。『非日常』の演出家である内藤氏と、上質な『日常』を叶えることに人生を捧げる坂口との会話の先には、どんな暮らしが生まれるのでしょうか。今年も素敵な住まいを沢山ご紹介してまいりますので、編集部共々、よろしくお願いいたします。

画像:安田美沙子・The SODOH 内藤智久・ハイトラスト 坂口祐司

ハレ舞台の専門家と家づくり談義

坂口—今回はTHE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO にお邪魔しまして、GMの内藤智久さんとお話をしていきます

安田—安田美沙子です。よろしくお願いします

内藤—よろしくお願いします。普段やっている仕事は、非日常の演出で、その反対側にある家づくりのお話をどうやってさせて貰えばいいかと考えていたのですが……難しく考えてしまっています(汗) 

安田—ご自身のビジネスだったり、生活していて大切にしていることだったり、内藤さんの感性でお家を作るとしたらどんなお家だろう、というお話を一緒にしていければと思います

坂口—『Plan・Do・Seeハウス』を作るならどんな家にしますか? ざっくりとご説明するとこんな内容のお話ですかね

内藤—弊社の施設って基本的には同じ名前だったり、『コピーアンドペースト』の建物ってほぼないんですよ。なぜかというと結婚式の事業が会社の売り上げの大体6割5分を占めているんですね。そうやって事業展開をしている中で、その建物(結婚式場)における『見えないストーリー』を大切にしていて。その街のランドマークになるようなストーリーを踏まえた上での建物を作ったりとか、ブランディングしているので、今おっしゃるように『Plan・Do・Seeハウス』を作るとすると、住む方ご自身たちの人生のストーリーを一緒に作っていくっていう事がすごく重要かなと思います

画像:安田美沙子・The SODOH 内藤智久・ハイトラスト 坂口祐司 画像:安田美沙子・The SODOH 内藤智久・ハイトラスト 坂口祐司

坂口—内藤さんが作られたストーリーに共感して、そんな家に住みたいな、と思う方が出てくる。そんなお話になればいいなと思います。僕らはこんなストーリーで、こんな思いで作ったんだよ、というプランに、すごい感銘を受けて「ぜひこの家で住みたいです」って思ってもらえる家づくり

内藤—例えばここの建物って竹内栖鳳さんっていう日本画家が晩年に住まれた土地なんです。ちょうどここにその方が描いた絵が飾ってあるんですけれども。横山大観さんという有名な日本画家と並んで、『東の横山大観、西の竹内栖鳳』と称された方で。SODOHは1,800坪の敷地があるのですが、彼が手がけたデザイン性のある建物が、随所にあるんですよ。それが、SODOHが持つストーリーで。お客様からすると必要じゃない方もいらっしゃるんですけど、たとえば時計買うときと同じで、時計にもストーリーってあるじゃないですか。さまざまなものが持つストーリーに自分の人生を照らし合わせるってことをみなさん結構すると思うんです。商品にプラスの価値としてストーリーを紐づけてあげるっていうことを僕は意識してやっていますね。その建物ができるまでの謂れであったり、由縁が必ずあって。だからコピーアンドペーストしていくと「どこでもできるやん」っていうものになるのかもしれないんですけれども、ストーリーをプラスすることで、そこに行かなくちゃいけない理由を作る。その場所に居ることが優越感に変わっていく。そういう空間作りをしていますね

画像:安田美沙子・The SODOH 内藤智久

『ワンランク上の豊かさ』を叶える暮らし

坂口—なるほど。例えばその考えで言うと、ビジネスの中で、素敵なストーリーのある場を作って、そこにお客様を迎える、ということをされているわけですが、これが自分の家になったら、ご自身の家を一から作るとなったら、こんな家に住みたいな、とか、こんな感じにしたいな、ということはありますか?

内藤—シンプルに『豊かな暮らし』ができる家というか、豊かな生活をすることが重要だと思うんですよ。だからそこを目掛けて、奥さんがしたいことや子供がしたいことを形にする感じかなと思いますね

坂口—『豊かな暮らし』って内藤さんにとってどんな暮らしですか?

内藤—普通の豊かさじゃなくて『ワンランク上の豊かさ』というか……人によって違うと思うんですけれども。今、古いマンションをリノベーションして住んで15年くらいになるのですが、もちろん家なので日常感もあるんですけど、そこに『非日常感』を入れながら、自分が好きな趣味の形とか、奥さんがしたいもの、子供の好きなもの……それぞれ違うんですけど、一つになっていて、コンセプトもチグハグだったりするけれど、家族がいる一つの場所ができていて、みんなで会話ができる。そんな家を自分自身すごく気に入っていまして。『心が通じ合っている』ってことが豊かさなのかもしれないです

安田—内藤さんと奥様はどんな趣味をお持ちなんですか?

内藤—僕自身は走ることですね。奥さんは元々お花屋さんで、だから家の中に緑がゼロになることってなくて、常にお花が飾ってありますね。娘は音楽が好きで、ピアノがあったり、吹奏楽をしているのでトランペットやサックスが置いてあったり。先日も娘と妻がアコーディオンを弾いてくれて

安田—すっごい幸せそうですね!

坂口—言葉だけで十分豊かそうです(笑)

内藤—僕の誕生日のときに家に帰ってきたら、サプライズで2人がハッピーバースデーを弾いてくれたりとか

安田—海外みたいですね! 日本ってそういう話あんまり聞かないんですけど、海外の人ってそういう文化持っていると思います。家族愛の表現がとても素敵ですね

画像:安田美沙子・The SODOH 内藤智久・ハイトラスト 坂口祐司

今回の舞台THE SODOH HIGASHIYAMA KYOTOを運営する株式会社Plan・Do・Seeのゼネラルマネージャー。京都に限らず様々な地域のゲストハウス、式場でウェディング事業の構築やブランディングを手掛ける。『代々受け継がれてきた想い(価値)を未来へつないでいく』ことを志に据え、ひとの在り方に大きな影響を与える生まれ故郷を、子や孫が帰ってきたくなる場所にできるよう、地域を巻き込んだ事業づくりに注力している。

『豊かさ』の在り方は、十人十色

坂口—美沙子さんと趣味や感性が近そうですね。緑も好きでランニングも好きということで

安田—そうですね。緑とかお花って、なくてもいいんですけどあったほうが絶対幸せ

内藤—そうですね。間違いない

坂口—僕の勝手なイメージなんですけど、ランニング好きな人って、豊かさを感じるアンテナの感度が高い人が多いんですよ。走ってるだけで気持ちいいと感じられる。一般的に苦しいとされているものが、楽しいものに変えられる人なんですよね。もうその時点で感度は高いですよね、お二人は

内藤—この前もちょうど滋賀県の山に登って。トレイルランニングをしたんですけど、降りてきてみんなでご飯食べるとき、めちゃくちゃ美味しいんです。同じ焼肉でも終わった後の方がやっぱり美味しい。誰と、どこで、何を食べるかってことだと思うんですよ。その三つが揃わないと駄目で、その確度を上げるために走ってるって感じ

安田—分かります! 私もこの間全く同じ話していました(笑)

坂口—僕にとってはそれがゴルフですね。ゴルフをした後にひたすらゴルフの話だけで飯が食えてしまうという(笑)

安田—出会いもあるじゃないですか。坂口さんも、ゴルフしていなかったら出会っていない人、めっちゃいませんか?

坂口—もちろんそうですね。それも『豊か』な話ですね

内藤—人と出会って、繋がって、その人がまた自分の人生に豊かさをもたらしてくれるんですよ。共通の趣味とか、お話であったりとか、価値観の共有ってとても大切なことだと思いますね。ご縁が生まれて、それを広げていくことって人生の醍醐味だと思います

画像:ハイトラスト 坂口祐司
画像:ハイトラスト 坂口祐司

縁を結ぶ、広いリビングを考える

内藤—とても好きな言葉があって、今僕が今お手伝いしてる奈良の物件(結婚式場)があるんですけど、そこの会社の理念が『美しく豊かに結ぶ』という言葉なんです。『結ぶ』って、糸に吉、と書くじゃないですか。吉なのでおめでたいことなんですけど、無数にある糸たちを束ねる、繋ぎ止めるっていう意味があるんですね。だから、いろんな人の人生においてもいろんな無数の線があって、いろんな一瞬一瞬が奇跡的に重なり合って織りなすものが人生だと思っていて

坂口—まさに中島みゆきさんの『糸』ですね(笑)

内藤—あの曲の通りだと思います。その『結ぶ』をどうやってするかっていうと、美しく、人の心を豊かにするように結んでいく、ということを大切にして、結婚式を作っているんです。『結ぶ』という言葉、とても好きですね

坂口—その『結ぶ』場所が家、という考え方もできますよね。家族との絆だったり、友人との縁を固く結ぶ場所、というか

内藤—素晴らしいですね。僕の思いにぴったりはまります

坂口—お友達家族を呼んでホームパーティー、という目線で考えた時に今日お話ししたいことがあって、海外と日本の家で大きく違うところが一つあって。対面キッチンって日本だけなんですよね。海外の映画なんかで、対面キッチンて出てこないんですよ。海外は、リビングがあって窪んだところに独立してキッチンがある。なんでかっていうと、対面キッチンって区切りになってしまうからなんですよね。場所を区切って、その家族の数に照準をあてて、ぴったりに作るのが日本のLDKの作り方なんですよ。だからホームパーティーしづらいのかなと

画像:安田美沙子・The SODOH 内藤智久・ハイトラスト 坂口祐司

内藤—広いLDKのスペースがあって、ホームパーティーがしたくなるようなお家は素敵だなあと思いますね

坂口—ただね、ホームパーティー開くのって、大変なんですよね。奥さんが

画像:The SODOH 内藤智久

安田—確かにそうですよね、準備も後片付けも沢山ありますしね

坂口—そうなったときに、女性が普段生活しやすくて、簡単にホームパーティ仕様に様変わりできるような作りがベストですよね。大きい空間が作れるっていうことは、ホームパーティに関わらず、たとえば奥さんが友達呼んでピラティスの先生呼んで、友達と一緒に習えたりだとか、そういのって1個上の『豊かさ』だと思うんですよ。生活してる中でプラスアルファ家の中で何か習い事をするとかっていうことができる。その大広間を作れる家ってどうでしょうか

安田—あとはキッチンですね。大きいスペースを作るには、キッチンを別にしたほうがいいけど、それだと普段の生活の動線が大変だし、何より奥さんが参加できなくって寂しいですよね

画像:The SODOH 内藤智久

坂口—今お話ししてるSODOHのロビーにまさにあるんですけど、あのパーティーカウンターのつくりがベストじゃないですか? 壁付のキッチンがあって、その後ろに大きいカウンターがあって。普段はカウンターチェア置けばダイニングテーブルになるし、パーティーの時はそこにドリンクとか置けば

内藤—実は僕の家、今まさにその形なんですよ。そのカウンターでご飯食べてます

安田—いいですね。出すのも、洗い物も楽だし。普段の生活もばっちり便利ですね!

坂口—テレビ前のローテーブルも無くしてしまって、大きいスペースにしてしまって

内藤—うちも全くおっしゃる通りのリビングです。来たことありましたっけ(笑)

坂口—(笑)では今回は、内藤さんのお家を想像しつつ、トラスト流にめっちゃオシャレに作ります! お楽しみに!!

画像:安田美沙子・The SODOH 内藤智久・ハイトラスト 坂口祐司

YLIY style from vol.20

イリーマガジン パース画像(豊かな暮らしと、素敵なご縁の物語ができる家)

豊かな暮らしと、素敵なご縁の物語ができる家

京都が産んだストーリーテラーである内藤氏と、坂口、安田のイリーコンビが語らって生まれたのは、海外住宅のような広くて、リュクスなLDK。一見、ゴージャスなパーティースペースに見えるこの空間も、日常の暮らしのことや、お昼間のアレンジなど、しっかりと考えて設計されています。トラストデザインの家づくりは、今回のインタビューのようにお客様のご希望やご要望をじっくりと伺うところからスタート。お家づくりに関係ないと思えるような何気ない会話の中からも、ヒントを見つけてプランに反映します。そして、具体的にお家のイメージができるように、このようなハイクオリティなパースを作ってご提案致します。まずは叶えたい理想暮らしのこと、トラストデザインに教えてください。あなたとそのご家族の『ストーリー』を紡ぐお手伝い、トラストデザインにさせていただけませんか。

イリーマガジン パース画像(壁付キッチンの新しい提案)

壁付キッチンの新しい提案

流行りの対面キッチンでなくとも、ダイニングテーブルにできるカウンターを置くことで家事楽動線とオシャレさを両立。家族の会話も弾む、新しいキッチンの形としてご提案。LDKを広く使えるのもポイントです。

イリーマガジン パース画像(上質な団欒を)

上質な団欒を

テレビ&ソファのスペースはあえてメインの空間と雰囲気を変えて、ゆったりと落ち着けるイメージに。テレビではなくスクリーンにすることで、非日常感も演出しています。ホームパーティーの際は、音を出さずに映画を流してみると、ぐっと雰囲気がアップしそう。

イリーマガジン パース画像(お昼はママのプライベートスタジオに)

お昼はママの
プライベートスタジオに

広いスペースのあるこのLDKなら、ヨガ・ピラティスもお友達と一緒に楽しめます。ゆっくりとティータイムを過ごしたり、習い事をしたりと、ママも活用の幅が広がるLDKになっています。

画像:安田美沙子

今回のゲストの内藤氏は京都・丹波の生まれ。安田美沙子も幼少期、京丹後市に住んでいたということでご縁があったのですが、実は筆者の私も京丹後の生まれ。故郷の近い三人で、丹波、丹後の素晴らしい自然のこと、美味しい食材のこと、故郷の魅力について、インタビューが終わってからも盛り上がったのでした。

今回の舞台

イリーマガジンの舞台となったTHE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO

今回の舞台

THE SODOH
HIGASHIYAMA KYOTO

世界遺産である清水寺や、国宝の知恩院、重要文化財を多く残す八坂神社、高台寺など京都の歴史の中心となる場所に位置するレストランであり、京都有数の人気を誇るウェディングスペース。お話の中にもあった通り、近代日本画の先駆者である竹内栖鳳の旧私邸の名残りが残る、趣ある素敵な空間が広がっています。

TEL.075-541-3331

〒605-0827京都市東山区八坂通下河原東入八坂上町366

衣装協力
ririchuchu