夢がつまった
ハコ暮らし
ハコに詰まっているのは住まいと暮らしのタカラモノ
およそ一年前の春が待ち遠しい日に、トラストデザインの代表取締役、坂口祐司&女優・タレントとして、幅広いジャンルで活躍を続ける京都出身の安田美沙子のふたりしゃべりからスタートを切ったイリーマガジン。毎号、京都にゆかりの深い素敵なゲストをお迎えして『家づくり』に関連するトークを繰り広げているわけですが、住宅設計・デザイン・施工会社のPR媒体でありながら、ありきたりや月並み、テンプレートを由としないイリーマガジンは、常に新感覚の提案を心掛けてまいりました。その極めつけとなるべき最新号の見出しは『家を買うのに家は買わなくていい!?』。一見、なぞなぞのようにも受け取れますが、インタビューの最後までお付き合いをいただければ、ことの真意は確実に捉えていただけるかと……。さてさて、本日、お迎えしたのは、大阪は心斎橋の『CLUB JOULE』から華々しいキャリアを歩み始め、25歳で『世界WORLD』(現『WORLD KYOTO』)を立ち上げた中本幸一さん。京都発の『ハコ』を日本屈指のトップクラブへと成長させた敏腕ファウンダーに、『住まいと暮らし』のアイデアをリミックスしていただきます。
ハコに詰まっているのは
住まいと暮らしのタカラモノ
およそ一年前の春が待ち遠しい日に、トラストデザインの代表取締役、坂口祐司&女優・タレントとして、幅広いジャンルで活躍を続ける京都出身の安田美沙子のふたりしゃべりからスタートを切ったイリーマガジン。毎号、京都にゆかりの深い素敵なゲストをお迎えして『家づくり』に関連するトークを繰り広げているわけですが、住宅設計・デザイン・施工会社のPR媒体でありながら、ありきたりや月並み、テンプレートを由としないイリーマガジンは、常に新感覚の提案を心掛けてまいりました。その極めつけとなるべき最新号の見出しは『家を買うのに家は買わなくていい!?』。一見、なぞなぞのようにも受け取れますが、インタビューの最後までお付き合いをいただければ、ことの真意は確実に捉えていただけるかと……。さてさて、本日、お迎えしたのは、大阪は心斎橋の『CLUB JOULE』から華々しいキャリアを歩み始め、25歳で『世界WORLD』(現『WORLD KYOTO』)を立ち上げた中本幸一さん。京都発の『ハコ』を日本屈指のトップクラブへと成長させた敏腕ファウンダーに、『住まいと暮らし』のアイデアをリミックスしていただきます。
賢人たちの言葉を
建築パースに写すべし
坂口—前号の『トラベリングコーヒー』代表の牧野広志さんに引き続いて、今号も京都のカルチャーにディープに関わっていらっしゃるスペシャルなゲストをお迎えしております。中本さん、どうぞよろしくお願いします
中本—坂口さんがディレクションをされているイリーマガジンは、『住まいと暮らし』をテーマとした刺激的なウェブマガジンと伺っております。こちらこそ、どうぞよろしくお願いします
安田—わたしは、京都出身の奥さま&ママ代表という立ち位置でこのメディアに参加させていただいているんですが、毎号、そのときのゲストじゃないと交わせない、プレミアム感のあるトークがイリーマガジンのウリだと思っています。本日は、イベントオーガナイザーならではの提起や提言に期待をしています
つかつかの動機は
ロケーションの美しさ
坂口—お迎えをしておきながら、つかつかとお邪魔をするのがイリーマガジン取材班のアグレッシブなスタイルなんですが(笑) 撮影をさせていただいておりますこちらの『世界倉庫』さんは、いったいどういった施設なのでしょうか?
中本—2022年の2月5日にオープンを果たした『世界倉庫』は、コーヒーや焼き菓子やパフェを提供するカフェにありながら、ポップアップというスタイルで定期的にシェフやバーテンダー、飲食以外ではアパレルやアーティスト、作家とのコラボレーションを仕掛けていく、あえて定義を設けないスペースとなっております
安田—そうなんですね。先程、コーヒーをいただきましたがとっても美味しかったです!
中本—ありがとうございます。『WORLD KYOTO』が手掛ける新たなスポットということで、たくさんの取材も受けておりますが、ニュアンスやそうなれたらいいなというわたしの願望を込めて、『カルチャー寄りの百貨店の催事場』と例えたりもしています(笑)
プロセスの連結が
生み出すものが成功!
坂口—料理人の方やフィジカルトレーナーの方、フローリストの方など、これまでのゲストの皆さまはひたむきにひとつの道を極めようとされている方が多かったんですが、一方、中本さんのワークスタイルというものは、たくさんの道を極めなきゃいけない言わばハイブリッドだと思うんです。空間を作り、DJを呼び、お客さまを集め、結果的にイベントを成功させるというプロセスのすべてにハイレベルな能力が求められると思います
中本—大学を卒業してからずっとこの業種に従事してきましたので、改めてプロセスそのものを確認したことはなかったんですが、確かに、イベントの企画、イベントの運営には多くの作業がついて回りますね
家づくりの
最初から最後までを見届けたい
坂口—僭越ながらわたしも、不動産事業並びに、住宅設計・デザイン・施工を一手に担う総合的な会社を経営しておりまして、組み合わせや掛け合わせでなにかを生み出すハイブリッドというものは、最終形態と言いましょうか目指す道でもあるんです
安田—トラストデザインさんは『家づくりの最初から最後まで』をワンストップで支えるがコンセプトですもんね
中本—ひょっとすると、われわれの仕事というものは、DJプレイにも似ているかもしれませんね。ターンテーブルとミキサーを使えば音楽は足し算だけでなく、ときには掛け算や割り算にもなり得ますし、そこには無限の可能性が広がっています。われわれもそのような感覚で日々、仕事に向き合っていきたいものですね
2001年に、『世界WORLD』(現『WORLD KYOTO』)をオープンさせた中本さんは、ソフトかつロジカルな語りが印象的。東京は銀座のダイニングレストラン&バー、『PLUSTOKYO』のプロデューサーに抜擢されるなど、中本さんは店舗企画や店舗デザインの腕もピカイチなんです。京都盆地をもっと暑くをテーマとする京都最大級のクラブ『WORLD KYOTO』や毎週日曜日にポップアップを開催している『世界倉庫』のスケジュールはホームページやインスタグラムに随時掲載。
2001年に、『世界WORLD』(現『WORLD KYOTO』)をオープンさせた中本さんは、ソフトかつロジカルな語りが印象的。東京は銀座のダイニングレストラン&バー、『PLUSTOKYO』のプロデューサーに抜擢されるなど、中本さんは店舗企画や店舗デザインの腕もピカイチなんです。京都盆地をもっと暑くをテーマとする京都最大級のクラブ『WORLD KYOTO』や毎週日曜日にポップアップを開催している『世界倉庫』のスケジュールはホームページやインスタグラムに随時掲載。
モッズカルチャーに傾倒した
青春時代
安田—やはり、中本さんは音楽がお好きでこの世界に入られたんですか?
中本—はい。学生時代から音楽は好きでしたが、クラブではなくライブハウスに通っていました
坂口—ライブハウスということはバンド系ですかね? どのようなジャンルがお好きでしたか?
中本—『さらば青春の光』というイギリス映画の世界観と言えばイメージしやすいでしょうか? モッズやモッズを取り巻くカルチャーにどっぷりハマっていましたね
安田—なるほど! そういう理由で『世界倉庫』さんのエントランスにはベスパが停まっているんですね
坂口—詳しくはないですが、モッズってファッションにも多大な影響を与えていますよね。やっぱり、お洒落な仕事をしている人って昔からお洒落なんですね
京都のオトナの階段は
ワールドにあり
坂口—美沙子さんは23歳まで京都にいらっしゃったと思いますが、『WORLD KYOTO』さんにおいでになられたことはあるんですか?
安田—もちろんですよ! 大人になって友達と『よし! クラブデビューしよう』と意気込んで行ったのが『WORLD KYOTO』さんですし、本日、中本さんとお会いして、そんなに歳の変わらないこんな若い方がオーガナイザーだったんだとびっくりしています
坂口—ひょっとすると、その当時にフロアですれ違っていたのかもしれませんね
安田—ええ。もし当時から知り合いだったらクラブデビューのときも、緊張でカチコチにならずに済んだのかも(笑)
坂口—まさしく、京都で学生時代を過ごしたわれわれにとっては、『WORLD KYOTO』さんは、お洒落なお兄さんとお姉さんが集う大人の社交場というイメージなんですよね。ですので、初めてのドキドキ感はわたしも重々に察します(笑)
空間のプロとプロが組む
夢の最強タッグ
坂口—いよいよ本題に入りますが、現在の中本さんの家はどのようなスタイルなんですか?
中本—きっと想像されているものと違ってめちゃめちゃ普通ですよ(笑) 小さな子供もいますのでそれなりに生活感もあります
坂口—いえいえ。それこそがリアルだと思います。中本さんは外の世界を作るプロフェッショナル、われわれは内の世界をプロフェッショナルとして、いまから実りのあるブレストができればと思います
安田—出かける先と帰る先のプロフェッショナルのコラボレーションですね
坂口—美沙子さんにはわたしに欠如している(笑) 奥さま&ママ視点からドシドシ意見をいただきたいです
ウチにはちょい背伸びした
パーティ空間を
坂口—クラブやレストラン&バーといった外の世界、出かける先をプロデュースされている中本さんが、『住まいと暮らし』を同じようにプロデュースするならどうされますか?
中本—まったく同じ観点ならば、立地や外観から、インテリアやレイアウトまですべてにこだわりたいところですが、現実的な『住まいと暮らし』の場合は、予算を含めて前提となる条件があると考えますので、『なるべくリビングは広めに』という、あえて控えめな提案でいかがでしょうか?
安田—広めのリビングにはどのような狙いがありますか?
中本—『WORLD KYOTO』のイベントのように、パーティってDJを呼んで盛り上がるものもあれば、家族や友人、仕事仲間やご近所さんとコンパクトに開催できるものもあると思うんです
安田—子供たちのお誕生日会だって立派なパーティですもんね
中本—その通りです。社交や歓談のスペースとしてはもちろん、そこに映像や音響といったエンターテインメントを楽しめる仕掛けがあれば、ライフスタイルはもっと豊かになると思います
坂口—コロナ禍の影響からか、実際に、内の世界、帰る先にもっと手をかけたいという声も多いです
安田—確かに、『おうち時間』という言葉が流行語になってから、室内でポジティブに楽しむことが増えましたので、内の世界、帰る先のブラッシュアップは『住まいと暮らし』の新常識になるかもしれませんね
坂口のアイデアで
ショールームが劇変
坂口—『なるべくリビングは広めに』という中本さんのご提案から思い浮かんだんですが、われわれがいまいる『世界倉庫』さんのイベントスペースって十二分に広いじゃないですか。ちなみに坪数はどれくらいですか?
中本—ここは30坪くらいですね
坂口—ジャストアイデアですが、真っ白な内装を利用したプロジェクションマッピングで住宅展示をしても面白いかもしれませんね
安田—デジタル技術でショールームが完成するなんてすごい時代ですね
中本—仮想リビングでお菓子とコーヒーを召し上がっていただける新感覚のイベントですね
家を買うのに
家は買わなくていい!?
坂口—こちらは是非ともポップアップイベントの候補とさせていただいて、もっとドラスティックなアイデアがあるんです
安田—早く聞かせてくださいよ(笑)
坂口—それは、こちらのスペースのような倉庫そのものに住もうという提案です。日頃より、様々な建築物を拝見していますが、無骨で無機質な倉庫はリフォーム、リノベーション次第で素晴らしい居住空間に生まれ変わると思っていまして、倉庫と一括りに言っていますが、テナントや工場の跡でも構わないと思います
安田—ニューヨークのブルックリンはそういったものの再生でクリエイティブに変貌を遂げた街ですよね
中本—坂口さんのリフォーム、リノベーションのセンスを信じていますので、役目を終えたハコがスタイリッシュに再構築されそうです
坂口—ありがとうございます。つまり、大胆すぎるかもしれませんが、家を買うのに家は買わなくていいわけです
ハコの2階は広すぎるワンルーム
安田—住宅設計・デザイン・施工会社の視点からの倉庫が有するメリットってなんですか?
坂口—一般的な倉庫は、元々、壁や柱が少ないので、リフォーム、リノベーションによって広々とした空間を実現できるという点ですかね
中本—ということは、広めのリビングという希望は叶えられそうですね
坂口—はい。当初からのオーダーはしっかりと踏まえますよ。また、壁や柱が少ないために住戸内をスケルトンにするための解体費用が抑えられるという点もアドバンテージかと考えます
中本—例えば、2階建ての倉庫ならば、キッチンやバスといった生活空間は1階に設け、2階を大きなリビングにしてしまうのもよいかもしれませんね
坂口—そうですね。広々とした2階は可動式のパーテーションでカスタマイズ自在に区切ってもいいいですね
安田—家族のコミュニケーションに壁はいらないってことですね!
坂口—トラストデザインとしては倉庫の建売なんかにも興味が出てきますね
中本—それこそ、倉庫の建売が連なったひとつのコミュニティがあっても楽しいですね
安田—話は尽きませんが、そろそろ上記のアイデアたちをグラフィックに落とし込む時間がやってまいりました!中本さん、お忙しい中、イリーマガジンの取材に対応いただきありがとうございました
中本—こちらこそ、ありがとうございました。倉庫を題材にしたグラフィックの完成を楽しみにしております
坂口—ありがとうございました。今回は少し尖ったセンスでヴィジュアルを製作いたしますので、お楽しみに
YLIY style from vol.11
トラストデザインが
倉庫をリフォームしたら……
インタビューの終盤には『ハコの建売』や『ハコの街』という、プロ棋士もビックリの好手、妙手が指された今回の収録。ちなみにハコとはそもそもはものを収める容れ物を指しますが、音楽紹介などでは、ライブハウスやクラブを表す言葉として一般的に用いられています。長らくこちらの業界で躍動する中本さんは、インタビュー後に『ハコという枠組みの中でイベントを主宰している自分らしい提案ができて光栄です』とコメントを残して下さいました。さて、ここからご覧になっていただくのは、イベントオーガナイザーからの提起と提言をトラストデザインのフィルターを通してスタイリッシュにヴィジュアル化した建築パース。坂口の言う通り、無骨で無機質なハコが素晴らしすぎる居住空間に生まれ変わったでしょ!
眩しいほどに最高の採光
倉庫のリノベーションの最大のメリットとなるのが床面積と天井高。それらを活かして広々としたワンルームに大きな窓を取り付けてみました。壁紙のチョイスにもセンスが溢れます。
区切らないライフスタイル
可動式のパーテーションでゾーンやシーンを切り替えるのも、もちろん◎ですが、トラストデザインとしては床の高低での切り替えをリコメンド。随所にウッドを配してアクセントに。
安田美沙子
1982年4月21日生まれ。数々の女優やアイドルを輩出する、講談社主催のミスマガジンにてミスヤングマガジンを受賞後、芸能界で華々しく活躍。京都府出身のタレントとしても著名で、そのはんなりした語り口に魅せられるファンも多い。郷土愛も強く、幼馴染の経営する中京区の炭焼店でサプライズ店員をしていたところを目撃されたことも。
坂口祐司
1986年6月25日生まれ。土地や建築だけでなくお客様のライフスタイルやライフプランまでをトータルに考え、最良のサービスを提供するトラストグループの代表取締役。急成長を遂げる若き会社のトップは、本メディアでは京都で培った幅広い人脈を武器にゲストのブッキングに日夜奔走。四条河原町に住まいと暮らしのギャラリーをオープン。
今回の舞台
今回の舞台
世界倉庫
ここは富小路沿いに建つ風情のある町家。古き良き民家の南側に掛けられた地球のマークが目印の暖簾をくぐってアプローチを突き当たりまで進むと……、表通りとは異次元のようなムードの『世界倉庫』がお目見えします。1階でイートイン限定の本日のお菓子などを提供するカフェを営業しながら、白を基調とした2階はイベントスペースとして利用可能。京都の新たなカルチャー発信源として注目を集めています。
TEL.075-754-8289
〒600-8061
京都市下京区富小路高辻上ル筋屋町144
- 衣装協力
- ririchuchu / Hai capito